医師
同月
20
20日,亡Dの化学療法のメニュー及 び亡Dらが希望していた免疫療法について再度照会をしたが,L医師の回 答は,化学療法は困難であるというものであった(乙A2・7頁)。
しかし,セカンドオピニオンで北里研究所病院がTS−1の減量投与に よる治療を提案したため,亡Dらが転院を希望し,同年5月6日,亡Dは 被告病院を退院し,北里研究所病院へ転院した(乙A3・3頁,乙A8・ 4頁)。
26 3 亡Dの胃癌の早期発見のために必要な措置を執らなかった過失の有無 (1) 亡DがE医師に対して胃癌の早期発見を依頼したか否か ア原告らは,前記第2の2(1)アのとおり,E医師に対し,自らに癌が発 症した場合の早期発見を普段から繰り返し依頼してきたものであり,特に, 平成15年9月に原告Bが直腸癌に罹患した後は,E医師に対して上記依 頼をことあるごとに繰り返し,E医師もこれを受諾していた旨主張し,原 告Bは,亡Dから,E医師には癌の検査をしてくれるようにいつも頼んで いると聞かされていた旨供述している(甲A3・1頁)。
イこれに対し,E医師は,亡Dは確かに癌にかかる心配はしていたが,亡 Dから,癌を早く発見してほしいと具体的に言われた記憶はなく,むしろ, 亡Dは,内視鏡検査やバリウム検査の受診を勧めても,地区の定期検診を 受けているからその必要はないと述べて,侵襲性のある検査を拒否する患 者であった旨供述ないし証言し(乙A8・4頁,5頁,証人E5頁),そ の供述ないし証言に格別不自然な点はない。
一方,上記2(2)ア,(3)ア, イ及び証拠(乙A1・4頁ないし24頁)によれば,亡Dは,E医師の下 で高血圧及び甲状腺機能低下症の管理治療を受ける目的で,平成10年3 月に被告病院呼吸器内科へ転科し,転科後から平成18年3月までの間の 被告病院呼吸器内科における診療では,継続的にアダラート及びチラージ ンが処方され,主に上記疾病の管理治療がなされていたことが認められる ほか,上記2(3)ウによれば,亡Dが平成11年3月8日にE医師の診察 を受けた際に,胃癌の検査はやりたくないと述べたことが認められる。
ウこれらの事情を考慮すれば,亡Dが,E医師に対し,自らに癌が発症し た場合の早期発見を普段から繰り返し依頼し,これをE医師が受諾したと は認め難く,被告が,亡Dに対し,患者の症状等に応じて診療当時の医療 水準を満たした診療を行うという一般的な診療契約上の債務以上に癌の早 期発見のための高度の検査義務,診療義務を負担していたとは認め難い。
27 (2) 亡Dの症状について 原告らは,前記第2の2(1)イのとおり,平成17年夏から秋ころより, 亡Dは,食後の胃痛・胃部不快感を頻繁に訴え始め,その後,食間の胃痛・ 胃部不快感,頻回のゲップを訴えるようになり,これらの症状はE医師にも 伝えられていたと主張し,原告Bの陳述(甲A3・2枚目,3枚目)中にも これに沿う記載部分がある。
また,上記2(3)トのとおり,亡Dが,平成1 7年12月12日の診療時に,E医師に対し,胃酸が上がってくるようだと 訴えたことが認められる。
もっとも,診療録(乙A1・23頁,24頁)中には,亡Dがその他に胃 の不調,口臭,食欲不振及び胃がムカムカすることを訴えたことに関する記 載はない。
しかしながら,E医師は,亡Dが慢性的な胃の不調を含む不定愁 訴の多い患者であったことから,これらの不定愁訴については特に大きく症 状が変化した場合にのみ診療録に記載していた旨を述べていること(証人E 27頁,上記2(3)セのとおり) ,E医師は,同年3月14日の診療の際に, 亡Dの口臭の症状を認め,同様の症状がその後も続いていたと述べているこ と(証人E27頁),上記2(3)イのとおり,亡Dは,同年8月8日から同 年12月12日までの間の診療においても,胃散,ガスター,ストロカイン といった胃薬の処方を受けていることなどを総合すれば,亡Dには,平成1 7年夏から秋ころに胃部不調や口臭等の症状が存在したと認められる。
(3) 検査実施義務違反について ア原告らは,前記第2の2(1)ウのとおり,E医師は,平成17年夏から 秋ころ,亡Dの胃部変調の訴えに対し,胃X線検査の実施等の癌の早期発 見に必要な措置を執らなかった過失があると主張するので,この主張につ いて検討する。
イ上記3(2)のとおり,亡Dには,平成17年夏から秋ころに胃部不調や 口臭等の症状が存在したと認められるが,他方,上記1(1)イ(ア)及び証 28 拠(証人E28頁)によれば,胃癌に特有の症状はなく,上腹部痛・不快 感,悪心・嘔吐,上腹部膨満感などの症状から胃癌を推定することはほと んどできないこと,口臭も必ずしも胃癌を推定する症状ではないことが認 められ,これらの医学的知見に照らせば,亡Dの上記のような胃部不調等 の症状が,それらだけをとりあげて胃癌の発症を疑わせる症状であったと は認め難い。
また,上記2(3)イのとおり,亡Dは,平成10年ころから 胃の不調を訴え,胃散,ガスター,ストロカインといった胃薬の処方を受 けてきたところ,上記2(3)ツ,テ,トのとおり,平成17年夏から秋こ ろにかけて亡Dの胃の症状に顕著な変化があったわけではなく,上記2(3) トのとおり,平成17年12月12日の診療において,亡Dから,胃酸が 上がってくるようだとの訴えがあったため,同日パリエットが処方されて いるが,パリエットの処方については,証拠(乙A1・22頁,証人E1 9頁)によれば,上記診療時以外にも処方されたことが認められるのであ って,上記の胃酸が上がってくるようだという主訴から,直ちに亡Dの胃 に関する訴えが増悪したという事実を推認することはできない。
一方,上記1(1)ウ(ア),(イ)のとおり,亡Dのような高齢者に対して X線検査や胃内視鏡検査を行う場合にはイレウスの発症や穿孔を生じる危 険性があることが認められる。
これらの点を考慮すれば,平成17年夏から秋ころ,E医師が原告らが 主張するような検査実施義務を負っていたと認めることはできない。
借金返済の相談
金額が多すぎて自分の借金の規模が分からなくてどうしたらよいか途方に暮れている方、一度弁護士に相談をしてみましょう。
自分で判断が付かないケースの場合、債務整理が必要と判断されることが多いからです。
債務整理は自己破産の他にも、実は個人再生や任意整理、特定調停など、様々なやり方があります。
知識として知るだけでも相談する価値がありますよ。
借金返済の相談は無料で実施している弁護士がほとんどです。
「借金返済・債務整理ドットコム」は無料相談を受け付けてくれる弁護士事務所が簡単に検索出来ますよ。
ウまた,そもそも,亡Dが平成17年夏から秋ころにおいて既に胃癌を発 症していたかについて,さらに検討すると,上記2(6)アのとおり,亡D は平成18年4月8日にいわゆるスキルス胃癌であるとの診断を受けたこ とが認められ,さらに,上記1(1)カ及び証拠(乙B1・4枚目,乙B4 ・3枚目,証人E29頁)によれば,胃癌が検診で発見されるまでの大き さになるには何年もかかるのが通常であるが,いわゆるスキルス胃癌の場 29 合の増殖の速度は早く,時には数か月で転移するに至ることもまれではな いこと,スキルス胃癌との診断を受けた時点で,既に癌性腹膜炎の状態で 余命3か月と宣告された患者の症例において,上記診断の1年前には癌が 存在しないか,存在しても極めて微少なものであった可能性が高いと示唆 されていることが認められ,これらの医学的知見を併せ考えると,亡Dが スキルス胃癌との診断を受けた時点からおよそ10か月前である平成17 年夏から秋ころの時点において,亡Dにおいて胃癌が発症していたことは, 本件の全証拠によってもこれを認めるに足りない。
エ以上のとおりであるから,E医師に,平成17年夏から秋ころの亡Dの 胃部変調の訴えに対して胃X線検査の実施等の癌の早期発見に必要な措置 を執らなかった過失があったとはいえないし,また,E医師に,胃X線検 査等の実施の必要性を亡Dに説明する義務を怠った過失があったともいえ ない。
4 亡Dの症状について誤った説明をした過失の有無 (1) 原告らは,前記第2の2(2)のとおり,E医師が腫瘍マーカーの検査値が 正常であるから癌の心配はないとの間違った説明を繰り返し,亡Dが胃癌早 期発見のための適切な措置を執る機会を奪った旨主張するので,この主張に ついて検討する。
(2) 原告Bは,亡Dから,E医師が血液検査の結果でも数値は正常だったか ら癌ができているようなことはないと述べたことを聞いたことがある旨,平 成17年5月23日に原告Bと亡Dが一緒にE医師の診察を受けた際にも, E医師が,亡Dに「マーカーの値は正常値です。
癌の心配はありません。
」 と説明していた旨供述している(甲A3・1頁,2頁)。
しかしながら,上記供述は,E医師の発言を要約したもので,これらの要 約がE医師の元の発言をそのまま正確に再現したものかどうか疑問がある。
また,E医師の証言(証人E33頁)によれば,E医師は,進行度の低い早 期の胃癌では腫瘍マーカーはそれほど高い陽性率を示すわけではないこと, 腫瘍マーカーの検査結果が陽性でなかったからといって癌でないとはいえな いこと(上記1(2)ア(イ),ウ参照)を熟知していることが認められる。
そ して,E医師は,日頃,患者に対し,腫瘍マーカーというのは癌によって作 られる物質であり,そういう物質を作る癌ができると血液の中に腫瘍マーカ ーが増加することになること,腫瘍マーカーの数値が正常であるということ は,腫瘍マーカーを作るような癌はないということであることを説明をして いるが,腫瘍マーカーの検査値が正常であれば癌の心配はない,などという 説明をしたことは絶対にない旨供述ないし証言(乙A8・5頁,証人E33 頁,34頁)しているところ,この供述ないし証言に格別不自然な点はない。
これらの事情を考慮すれば,E医師が,亡Dに対し,腫瘍マーカーの検査 値が正常であることと癌の発症の有無との関係について医学的に誤った説明 を行ったとは認め難い。
(3) 証拠(甲A3)によれば,亡D及び原告Bは,腫瘍マーカーの検査結果 に関するE医師の説明から,亡Dについて癌の発症はおよそないものと思い 込んでいたところ,突如として手術の適応がないほどに進行した胃癌である と診断されたことに驚き,E医師の診療行為や説明の内容について強い不満 を抱いたことがうかがわれる。
亡Dが進行した胃癌と診断された後短期間で 死亡したことにつき原告らが無念の心情を抱いたことは理解できるところで あるが,他方,医師としては,患者が精神的に安定した平穏な生活を送るこ とができるように,患者の不安を強めたり,不必要に患者の動揺や混乱をき たす発言を控えることも重要であると考えられるから,仮に腫瘍マーカーの 検査結果に関するE医師の説明にそのような考慮に基づくものが含まれてお り,そのことが癌の発症の心配はないと亡Dが思いこむ一因になったとして も,E医師がそのような説明をしたこと自体が亡Dに対する診療契約上の債 務不履行ないし不法行為を構成すると解することはできない。
5 結論 以上のとおりであるから,原告らの請求は,その余の点について判断するま でもなく,いずれも理由がないというべきである。
よって,原告らの請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
(7) 監査請求及び訴え提起 ア原告らのうちの1人は,平成15年9月4日,被告市長に対し,大阪市 情報公開条例に基づき,本件3社が提出した本件調停の申立書の情報公開 - 15 - を求め,同年10月14日,本件3社が提出した再建計画書及びこれに対 する鑑定書の情報公開を求めたが,そのころ,いずれも却下された(弁論 の全趣旨)。
過払い金
離婚 相談
交通事故の示談
相続の相談
残業代の請求
葬儀
池袋 ネイルサロン
自由が丘ネイルサロン
千葉 ネイルサロン
中目黒 ネイルサロン